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- 2021.11.01
- 荒井理行 個展 "絵画のように / like paintings"
STANDING PINEでは、11月20日(土)より荒井理行の個展「絵画のように/ like paintings」を開催いたします。荒井は、1984年ウィスコンシン州に生まれ、現在は茨城を拠点に活動し、その作品はあいちトリエンナーレ2013やVOCA展2014などでも発表されています。荒井はインターネット上で収集した写真をプリントアウトしキャンバスに貼り付け、その外側を想像により拡張して描く絵画を制作し続けています。本展では、横幅5mに迫る大作をはじめ、ここ数年で表現の変化を続けている荒井の新作を展示いたします。
荒井は従来キャンバスに貼り付けて残していた写真を、近年では剥がすようになり、画面には外側に描かれた想像上の絵画部分のみが残されています。さらにその上から別の写真を貼り外側を拡張して描く行為を繰り返すことで、イメージは縺れ合うように重なっていきます。荒井は現実の表象を“絵画のように”捉える過程で、絵の具を扱う単位や形状も変化させています。注射器から落とすように描かれた絵画は、鑑賞する距離によって図像と物質を行き来し、架空であるはずのイメージに実在感を伴わせながら立ち現れます。
荒井は、作品に使用された写真については多くを語りません。剥がされた写真がどのようなものだったのか、描かれた光景は一体どこから続いているものなのか、鑑賞者は想像を膨らませますが、その始まりを知ることはありません。絵画の出発点となった写真の不在、そして画面上に残る描かれた架空のイメージの集積は、現実世界で日々蓄積され共有されているものの複雑な関係性を想起させ、その曖昧さも同時に際立たせています。
https://standingpine.jp/exhibitions/24
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会 期 : 2021年11月20日(土)-12月18日(土)
作家在廊予定:11/20(土)、11/21(日)、12/18(土)