EXHIBITION
- PAST EXHIBITION
- テゲネ・クンビ
- Bending Back
- 2024.05.04 Sat - 2024.05.25 Sat
STANDING PINEは、アフリカ現代美術やアフリカにルーツのあるアーティストを紹介するシリーズ企画「Stories from Africa: Chapter2」として、名古屋と東京の両ギャラリーにて国際的に活躍するブラックアーティストを紹介する2つの展覧会を開催いたします。
STANDING PINE名古屋では、5月4日(土・祝)より、エチオピア出身のアーティスト、テゲネ・クンビの個展「Bending Back」を開催いたします。アジア初の個展となる本展では、アーティストが、このユニークな機会のために特別に制作した最新作を発表します。
テゲネ・クンビは、1980年にアディスアベバ(エチオピア)に生まれ、現在ベルリン(ドイツ)を拠点に活動しています。2004年にアディスアベバ大学美術学部で絵画と美術教育の学位を取得し、コテベ・カレッジ・アカデミーで教鞭をとります。名誉あるDAAD奨学金を得て、2008年にエチオピアを離れ、ベルリン芸術大学で学び、2011年に美術修士号を取得しました。現在はベルリンで活動し、ドイツ国内外で複数のグループ展や個展を開催するほか、パリ、カサブランカ、ニューヨーク、ナイロビ、ヌアクショット、アムステルダムなどで国際共同プロジェクトやワークショップに参加しています。2022年のダカール・ビエンナーレでは、セネガル政府によって最優秀アーティストに贈られるレオポルド・セダルセンゴールのグランプリを受賞し、近年アフリカ出身の若手新進作家として、世界各地のギャラリー、キュレーター、美術関係者から注目を集めています。
テゲネは、さまざまな幾何学的な形と色彩のコンポジションを創作し、生まれ故郷の風景、布地、衣服、壁画などの個人的なヴィジョンを表現しています。油彩とテキスタイルを組み合わせることで、鮮やかなテクスチャーと幾重にも重なる色彩の表面を生み出します。闊達で主張の強いクンビの絵画に見られる抽象的な縦縞や横縞、色彩のブロックは、エチオピアの伝統である正教会やコプト教の写本や壁画、さまざまな模様に見られる鮮やかな色彩と親和性が高く、鑑賞者はその独特でありながらどこか洗練された美しさに魅了されます。
「色彩は、私の文化的伝統の側面を表現するための語彙である。それぞれの色相が次の色相と対話し、調和と緊張感を生み出している。色調、密度、直線的なグリッドもまた、作品に不可欠な要素である。このような言語を通して、私は個人的な経験やコミュニティの中にあるダイナミズムや複雑さを伝えている。絵画の根底にある構造は、大きな作品群にわたって繰り返される。この縦糸と横糸は、宗教的な儀式に使われるエチオピアの織物に内在するもので、それは同時にインスピレーションの源であり、最近では作品の素材にもなっている。この審美的な枠組みは、それ自体が精神性を取り戻すための儀式であり戦いでもある絵画制作を通して、強化され、同時に挑戦される。」
テゲネ・クンビ
展覧会のタイトルである「Bending Back」は、アーティストが作品を制作するプロセスと関係しています。クンビの作品制作のプロセスは、強烈さを増しながら、深い自己解釈、そして色彩の調和と彼の精神の調和との間に生まれる反応によって構成されています。背を曲げ後ろを向くように、アーティストはキャンバス上での数え切れないほどの決断の瞬間を振り返ります。この重要なプロセスは、作品を開花させ、アーティストにっとても信じられないような親密な創造物を生み出す一助となります。自分自身を振り返り、問いかけることで、クンビはキャンバスに永遠に残るであろう自分の決断を振り返り、それを受け入れ、そのサインを自分の潜在意識から発せられる言葉として認識します。
アーティストの言葉を借りれば、「ベンディング・バック」とは、正しいか間違っているかにかかわらず、これらのステップを受け入れることを意味します。したがって、現在を生き、創造するために過去を振り返ることは、彼の作品に命を吹き込む特権となります。これはまた、我々の生き方のメタファーでもあります。我々が経験したことを受け入れ、それを推敲することが、現在と未来を築いていく唯一の方法なのです。
会期 : 5月4日(土) - 5月25日(土) / 5月4日(土)、5日(日)は営業します。
開廊時間 : 13:00 - 18:00 ※月火祝休廊
※本展覧会は名古屋での開催です。
開催日時および場所をご確認いただき、お間違えのないようお越しくださいませ。
Powered by Froala Editor