EXHIBITION
- CURRENT EXHIBITION
Installation view, The Museum of Fine Arts, Gifu
- ジョエル・アンドリアノメアリソア
- Le palais des vents
- 2026.10.31 Sat - 2026.11.28 Sat
STANDING PINEでは、10月31日(土)よりジョエル・アンドリアノメアリソアの個展「Le Palais Des Vents(風の宮殿)」を開催いたします。本展では、京都の着物を用いて制作され、2026年に岐阜県美術館で初公開された同名のテキスタイルシリーズを展示いたします。
アフリカに位置しながら、食や身体感覚といった層においてアジアとも接続するマダガスカルに根差し、パリにも拠点を置くアンドリアノメアリソアは、複雑に絡み合う歴史と文化を背景に、複数の領域を横断しながら、言葉では表し得ない抽象的な感情や記憶をすくい上げ、作品を生み出してきました。
本作では、作家が京都で自ら選び抜き、収集した複数の着物をマダガスカルへと携え、裂いた布片を島に由来するイメージや地理の輪郭と継ぎ合わせていきます。長年にわたりテキスタイルを主軸に探究し、素材を「集めること」自体を制作の一部としてきた作家にとって、布は単なる支持体ではなく、手触りや労働、記憶を宿す媒体です。本シリーズにおいて作家は、二つの国と文化の痕跡が刻まれた異なる布を切断と接合、反復と層化によって新たな物語を立ち上げ、建築学を学んだ視点から、それらを「境界」ではなく「接続」として立体的な絵画へと編み直します。
アンドリアノメアリソアは、着物のもつ簡素さと優雅さを取り入れながら、その線をひとすじ、ひとすじ織り重ねます。やがてそれらは、触れることのできないはずの感情に手ざわりを与え、目に見えない想いを物質としてこの世界に結晶させます。そこから立ち上がるのは、ひとつの大きな歴史であるHistoryと、無数の息づく物語としてのHistories。幾層にも重なり合う時間と記憶が、静かに、しかし確かに、空間の中に姿をあらわしていきます。本作が、私たちにとって遠い土地とそこに横たわる語られない連なりを改めて捉え直す機会となれば幸いです。
会期 : 10月31日(土) – 11月28日(土)
開廊時間 : 12:00 – 18:00 (火–土) ※日月祝休廊
オープニングレセプション : 10月31日(土) 17:00 – 19:00
CV
ジョエル・アンドリアノメアリソアは、さまざまなメディアと素材を通して、明示されることのない抽象的な物語に形を与え、作品として表現しています。彫刻、インスタレーション、工芸、執筆、テキスタイル、建築など、その実践は多岐にわたり、マダガスカルにおける自身のルーツと世界の多様な土地から着想を得た複合的なアプローチを特徴としています。
複雑な感情とその経験を内包する彼の作品は、繊細さと緊張感を併せ持つ造形を通して、私たちの息遣いを映し出します。それは、絶えず変化し続ける一連の試みであり、感情の物質性をめぐる継続的な探究でもあります。
アンドリアノメアリソアは1977年、マダガスカル・アンタナナリボ生まれ。現在はパリ、アンタナナリボ、マニャ=レトランジュを横断しながら活動しています。2003年にパリのÉcole Spéciale d’Architectureを卒業し、建築家資格を取得しました。
これまでに、プラハのKunsthalle Praha、ダラスのDallas Contemporary、ワシントンD.C.のSmithsonian National Museum of African Art、マラケシュのMacaal、ダカール・ビエンナーレ、シドニー・ビエンナーレ、パリのCentre Pompidou、ベルリンのHamburger BahnhofおよびHaus der Kulturen der Weltなど、世界各地の主要な美術機関や国際的な現代美術展で作品を発表してきました。
2019年には、第58回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて、マダガスカル初のナショナル・パビリオンを代表し、モニュメンタルなインスタレーションを発表。作品は、Zeitz MOCAA(ケープタウン)、Smithsonian(ワシントンD.C.)、Studio Museum in Harlem(ニューヨーク)、Sztuki Museum(ウッチ)、Collection Yavarhoussen(アンタナナリボ)などに収蔵されています。また、2025年には代表作3点がメトロポリタン美術館のパーマネント・コレクションに加わりました。
2020年には盟友Hasnaine Yavarhoussenとの協働により、アンタナナリボにアーティストのための独立したスペース「Hakanto Contemporary」を設立しました。このスペースは、母国マダガスカルの創造的なシーンに対する彼自身のコミットメントを体現するものです。
これまでに、2016年のARCO Madrid Audemars Piguet Prizeをはじめ、数々の賞を受賞しています。2019年にはマダガスカル共和国の芸術文化勲章シュヴァリエに叙され、2024年にはフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章しました。さらに、2025年にはマダガスカルにおいて芸術文化勲章コマンドゥールに叙され、2026年には第26回マルセル・デュシャン賞のファイナリストに選出されました。
Powered by Froala Editor