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Arai

[Tales of     ]#15 / 2019 / acrylic on linen, panel / 116.7 x 91 x 3.5 cm

  • 荒井理行
  • 歪む水平線
  • 2019.11.23 Sat - 2019.12.15 Sun
  • レセプションパーティー:11月23日(土) 18:00 (作家在廊予定)
    • 荒井理行アセット 1

STANDING PINEでは、11月23日(土)より荒井理行の個展「歪む水平線」を開催いたします。荒井は、1984年ウィスコンシン州に生まれ、現在は茨城を拠点に活動し、その作品はあいちトリエンナーレ2013やVOCA展2014などでも発表されています。本展では、今日の情報環境における私たちの情報の捉え方をテーマに、新たなアプローチで描く作品を展示いたします。縺れ合うような絵肌で描かれる様々な場面が絶妙なバランスで混ざり合うペインティングは、現実と非現実の中で揺れる私たちに真実とは何かを語りかけます。

私は2年前に大阪府から茨城県に拠点を移した。
当時新たな住居について、築年数や構造、周辺地図、自然災害に対する地理的な問題などあれこれ調べたが、やはり実際に行ってから分かる事はとても多い。
そして住んでから実感する事は更に膨大にある。
私は時々、この当たり前のような事を忘れている気がする。

情報には記述可能なものと記述不可能なものがある。
どれだけニュースを見たところで、分かることは記述可能な範囲までであり、その範囲外の事は想像により曖昧なまま補完されていく。しかしそれは本当にいつまでも曖昧なままなのだろうか。
程なくして、それは曖昧な想像から私の信じる現実へと変換されてはいないだろうか。
そして仮に記述の内容が既に歪んでいたとしたら、いつ私たちは本当の事に辿り着けるのだろう。
そもそも私たちは本当の事を知りたいのだろうか。
多種多様な人間がいるこの社会で、「本当の事」はただ1つのものとして観測可能なのだろうか。

私はこれまで、インターネット上で収集した写真をプリントアウトしキャンバスに貼り付け、写真には映らなかった外側を想像して描き足す作品を制作してきた。
「歪む水平線」と題した本展ではそこから発展し、これまで写真が貼られていた部分がぽっかりと四角く空いている。
モチーフとなった写真は取り除かれ、想像により描かれた外側のみが画面に残されている。
私はこの外側を描く事で、想像の断片が如何に人を満たし現実と繋ぎ止めているのかを記録している。

2019.10  荒井 理行