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  • 杉山健司
  • Cell - 私という密室、その内側と外側-
  • 2018.12.01 Sat - 2018.12.22 Sat
  • レセプションパーティー:12月1日(土) 18:00-
    • 杉山健司アセット 1

 STANDING PINEでは、杉山健司の個展「Cell - 私という密室 その内側と外側-」を開催いたします。杉山は、1962年に愛知県に生まれ、1998年より「I.I.M. Institute of Intimate Museums」と題したシリーズを継続的に制作しています。視覚のトリックを利用して精緻に構築された想像上の美術館や図書館は、国内外の多くの鑑賞者を魅了し続けています。本展では、I.I.Mシリーズから発展した新作の立体作品によって構成されるインスタレーションを中心に展示いたします。

 本展のタイトル「Cell」は「区切られた小さな空間」を意味する単語ですが、小部屋・細胞・集団・墓などの様々な意味を含みます。本展示では、ギャラリー空間がカーテンによって2つの小部屋に仕切られ、各スペースには杉山の新作「Outside」と「Inside」が展示されています。フレームを覗くと、「Outside」の中には、人の容れ物としての “家”が、「Inside」の中には、人の頭の中をイメージした記憶の図書館が、それぞれ造られています。一人ずつしか覗くことのできないその空間は、作家と鑑賞者の記憶や想像を結びつけ、鑑賞者は作品の一部に同化しているような感覚になります。

 さらに、2つの部屋の境界には作家自身を思わせる彫像が横たわっており、外側と内側の空間を別け隔てています。生気を感じさせないその彫像は、来場者を外側から内側の部屋へと誘います。来場者は杉山自身の「Cell」の中に迷い込み、杉山の頭の中を外側から覗き込むと同時に内側へと入り込むことができます。ギャラリー空間で作品を覗く鑑賞者たちは、杉山の美術館に登場する人形たちと重なり、マトリョーシカのように入れ子状態となった空間には、それがあたかも無限に続くかのような非現実的な感覚が生み出されます。

 想像上の美術館や図書館を通して、記憶のアーカイブを制作し続ける杉山。覗くという行為によって生まれる鑑賞者一人ひとりとの親密な繋がりは、記憶を共有することによって支えられる社会の人々の繋がりを表しているようにも思えます。記憶が集積する部屋、意識や記憶を担う細胞、そして死と記憶の関係。杉山の個人的な過去を記録する奇妙な空間は、人々の記憶をめぐる普遍的な感覚を呼び覚まします。