EXHIBITION

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Pe Lang , static | nº 2 , 90 x 90 x 1 cm , Edition of 6

  • ペ・ラン、大泉和文、インテクスト
  • In a Laboratory
  • 2023.06.10 Sat - 2023.07.01 Sat
    • ペ・ランアセット 1
    • インテクストアセット 1
    • 大泉和文アセット 1

STANDING PINEでは、6月10日(土)よりメディア系アーティストによるグループ展「In a Laboratory」を開催いたします。本展ではスイス人キネティックアーティストのペ・ラン、愛知県を拠点にコンピュータを使用したインタラクティブ作品を制作する大泉和文、デザイナーとプログラマーから成るアート・ユニット、インテクストの3組による代表作や新作を展示いたします。

ペ・ランは1974年にスイスに生まれ、現在スイスを拠点に活動するキネティックアーティストです。物理的な力の制御と稼働を繰り返し、動力学、視覚、そして音による相互作用を繊細かつ集中的に探求します。その無機質な機械パーツの組み合わせによって作られているはずの作品は、作家ですら予期しない動きや音を作り出し、柔らかで有機的な表情を見せます。その作品はMuseum Haus Konstruktiv (チューリッヒ)やGallery Denise René (パリ)、アシュモリアン美術館(オックスフォード)、インターコミュニケーション・センター[ICC] (東京)、アート・バーゼル(バーゼル)など、多くの国際的な美術館やギャラリー、アートフェアでも発表されています。
本展では、ランの新作2点を展示いたします。絶妙なバランスで固定され静止し続ける「Static」と、まるで生き物のように無作為に動き続ける「Random」、全て機械のパーツで構成されるそれらの作品は、まるで抽象絵画や彫刻のように、静かで美しい対比を生み出します。

大泉和文は1991年以降、オートマティック・ドローイング・マシンおよび大規模なインタラクティブ・インスタレーション作品を制作しています。大泉の作品にはコンピュータが使われる事が多い反面、自らメディア・アーティストを名乗ったことはありません。彼の作品は、「アート& テクノロジー」の観点でしか語られない狭義のメディア・アートに疑問を呈し、現代美術の一領域としての位置づけを目指しつつ、メディア・アートの起源であるコンピュータ・アートの多様性を再提起しています。主な展覧会に、アルス・エレクトロニカ(リンツ、オーストリア)や国際芸術祭「あいち2022」(愛知)、神戸ビエンナーレ(神戸) など。
本展では、会期中観客の動きに合わせてドローイングを続けるインスタレーション作品《Schrödinger’s kitten(シュレーディンガーの仔猫)》シリーズから、4作目となる新作を展示いたします。一定期間の描画を経て完成したドローイングは、集合知としての抽象美を創出するのか、それとも合成の誤謬でしかないのか。来場者は自分の存在をトリガーとして目の前で行われる描画を観つつ、考えることになります。

グラフィックデザイナーの見増勇介、外山央とプログラマーの真下武久で構成されるインテクストは、文字や映像、音による情報伝達のあり方を捉え直し、言語や文化に関わるより普遍的なメッセージを生み出すことに関心を持つアーティストです。彼らが普段たずさわるグラフィクデザインやコンピュータプログラミングの仕事では、人やコンピュータに対して適切な情報を伝達することが求められますが、彼らは情報の内容よりむしろ、情報伝達を支える文字や映像、音そのものに注目すべきメッセージや体験があると考えています。これまでに、国立国際美術館(大阪)でのグループ展や、文化庁メディア芸術祭(京都)、アート・バーゼル香港(香港)などで作品を発表し、新進気鋭のアーティストとして注目を集めています。
本展では、これまで文字や言語に関係する様々なプロジェクトを発表してきたインテクストの作品を再構成し、そこから生まれる新たなコミュニケーションの可能性を提示します。

今日、メディア・アートというとデジタル・テクノロジーを活用した芸術作品の総称とされていますが、明確な定義は難しく、それは決して最先端テクノロジーを駆使した芸術作品には限りません。様々なメディアや、デジタルとアナログが組み合わされた多様な作品を通して、国籍や世代の異なるアーティストの実験室で一体何が行われているのか、新たな可能性を垣間見てみましょう。



大泉和文 , シュレディンガーのミケ , 2023



Mirror / Color , 2021

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