ARTISTS

  • Kazufumi Oizumi
  • 大泉和文

  • Kazufumi Oizumi
  • 大泉和文

 大泉和文は日本の名古屋を拠点に活動するアーティストである。1991年以降、アン=ビルト建築の三次元CGによる再現を行ってきた。併行して、オートマティック・ドローイング・マシンおよび大規模なインタラクティブ・インスタレーション作品を制作してきた。その特徴は、展示空間に応じた仮設の通路やステージを設置し、観客に空間体験を誘発する点にある。次に、一 連のドローイング・マシンに見られるように、作品要素が物理的に動く点が上げられる。また、美術的センスに裏打ちされた設計と、自らアルミやアクリルを機械加工するディティール が特徴的である.。

 作品制作と共に、国際的に活躍した日本の初期コンピュータ・アート集団、CTG(Computer Technique Group)の研究を行い、『コンピュータ・アートの創生 CTGの軌跡と思想 1966-1969』(NTT出版,2015年)を出版した。その意義は、これまでCybernetic Serendipity展への出品など断片的に語られてきたCTGの全作品と全活動を明らかにし、同時代の国際的なコンピュータ・アート・シーンに対照し、美術史における意義を論考した点にある。

 大泉の作品にはコンピュータが使われる事が多いが、自らメディア・アーティストを名乗ったことはない。彼の関心は狭義のメディア・アート(テクノロジー・アート)にはなく、初期コンピュータ・アートの作品群が持っていた多様性の復権であり、大文字の美術史に如何に位置づけるかにある。

  • biography
  • 略歴

1964年 宮城県生まれ.
1987年 筑波大学 芸術専門学群 卒業.
1993年 筑波大学大学院修士課程 芸術研究科 総合造形 修了.

主な個展
2018年 《可動橋/BH 1.0》N-mark5G,名古屋市
2004年 《シュレーディンガーの猫 / 皇帝列車》ギャラリーC・スクエア(第64回企画),名古屋市
2001年 《platform project 2001》KSPギャラリー(かながわサイエンス・パーク),川崎市
1991年 《media+architecture》第1回「コニカプラザ・アーティストプライズ」受賞展,
 コニカプラザ,東京

主なグループ展
2018年 《視覚装置Ⅰ──視差について》《視覚装置Ⅱ──視軸について》
    「人間表現とメディアアート展:拡張する知覚」,
     愛知県立芸術大学芸術資料館(University Art Museum, Aichi University of the Arts)
2017年 《Loss of Horizontality》
    「映像とメディアアート展:インターフェイスとしての映像と身体」,
     愛知県立芸術大学芸術資料館(University Art Museum, Aichi University of the Arts)
2007年 《シュレーディンガーの猫 II 》アートインコンテナ展,神戸ビエンナーレ2007,神戸市
2003年 《シュレーディンガーの(子)猫》「Media Art A to Z」展,
     国際デザインセンター・デザインギャラリー,名古屋市
2002年 《幻の美術館視覚化プロジェクト1, 2, 3》「美術館の夢」展(兵庫県立美術館)
     高橋由一《螺旋展画閣》,中原實《Museé de Noir》,松方幸次郎《共楽美術館》以上3つの
     美術館構想を対象に,最新の学術研究成果を踏まえて三次元CGにより
     内・外観の再現を試みた。(中京大学 曽我部研究室との共同)
2001年 《platform project 2001-2》「モノの芸術・メディアのアート──表現者たちの冒険」展,
     常葉美術館,静岡県
1998年 《 I. レオニドフ『レーニン研究所・図書館』『重工業省庁舎』案ほかのVR》
    「デジタルアート・スプラッシュ!」展,福島県立美術館
1996年 《 I. レオニドフ『重工業省庁舎』案CG》ほか「未来都市の考古学」展
    (東京都現代美術館,広島現代美術館,岐阜県立美術館巡回)
1993年 《断片曲線》つくば美術館,愛知県立芸術大学芸術資料館)

受賞
1991年 第1回「コニカプラザ・アーティストプライズ」受賞

  • PAST EXHIBITION
  • 過去の展覧会